AIとの会話は友達とLINEする感覚で!敬語も難しいプロンプトもいらない始め方

デジタル・AI

ChatGPTなどの生成AIを使ってみたいけれど、何を話しかければいいのかわからない。使い方を調べてみても、難しそうなプロンプトばかり紹介されていて、かえってハードルが高く感じられる。そんな人もいるのではないだろうか。

しかし、AIとの会話はもっと気軽なものでいい。いちいち敬語を使う必要もなければ、最初から長い指示文を考える必要もない。普段、友達とLINEでやり取りするように、思いついたことをそのまま話しかけても十分に会話が成立する。

この記事では、AIの参考書などで紹介される使い方と、実際の会話を通じた使い方の違いを考えながら、初心者でも気軽に始められるAIとの付き合い方を紹介する。

AIに話しかけるとき、いちいち敬語を使う必要はない

ChatGPTなどのAIを使っていて、ふと思ったことがある。そもそも、AIに命令したり質問したりするとき、いちいち敬語を使う必要なんてないのではないだろうか。

例えば、何かを調べたいときに「〇〇について詳しく説明してください」と入力しなくても、「これってどういう意味?」で十分だ。文章を書いてもらったときも、「こちらの文章を、より自然な表現に修正してください」などと丁寧に依頼する必要はない。

丁寧に頼む場合 気軽に頼む場合
「〇〇について詳しく説明してください」「これってどういう意味?」
「こちらの文章を、より自然な表現に修正してください」「もうちょっと自然にして」

文章を直してほしいときも、こんな感じで送れば伝わる。

こんな言い方で十分
なんか違うんだよね
もうちょっと自然にして
ここ、もっと詳しく書いて
そうじゃなくて、こういう感じ

こんなふうに、普段の会話と同じように伝えればいい。友達とLINEでやり取りするとき、毎回きちんとした文章を考えてから送信する人は少ないだろう。短い言葉で返事をしたり、思いついたことをそのまま送ったり、相手の返答を見てから話を続けたりする。AIとの会話も、それに近い感覚でいいと思う。

もちろん、敬語を使ってはいけないという話ではない。丁寧な言葉遣いが自然な人は、そのまま使えばいい。ただ、AIは人間のように礼儀を気にする相手ではない。敬語を使ったから回答の精度が上がるわけでもなければ、友達のような口調で話したからといって、必ず回答の質が下がるわけでもない。

大切なのは言葉遣いよりも、
何を知りたいのか、どうしてほしいのかが伝わることだ。

なぜAIの参考書は敬語や長いプロンプトばかりなのか?

ところが、世の中にあるAIの使い方を紹介する本や解説記事を見ると、丁寧な命令文が多いことに気づく。例えば、こんな指示だ。

参考書でよく見るプロンプトの例

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AIの入門書などで見かける、いわゆるプロンプトの例だ。

確かに、こうした文章には意味がある。AIに役割や条件を明確に伝えることで、目的に合った回答を得やすくなるからだ。しかし、AIを初めて使う人がこれを見たら、どう感じるだろう。

初めてAIを使う人の本音

「こんなに細かく指示しなきゃいけないの?」

「毎回こんな文章を入力するの?」

「そもそも、こんな指示なんて思いつかない」

そんなふうに感じる人もいるはずだ。では、なぜAIの参考書では、こうした書き方が紹介されるのだろうか。

1
教材として、再現しやすい例文が必要だから
2
仕事の効率化と結びつけて紹介されることが多いから
3
以前のAIは、条件を詳しく指定したほうが回答が安定したから

ひとつには、使い方を教える教材として、具体的な手順や再現しやすい例文が必要だからだろう。また、AIの活用方法は仕事の効率化と結びつけて紹介されることも多い。ビジネスで使うことを想定すれば、丁寧な言葉遣いや、条件を整理した指示文が中心になるのも理解できる。

さらに、以前の生成AIでは、曖昧な質問よりも条件を詳しく指定したほうが、安定した回答を得やすい場面が多かった。そのため、プロンプトの書き方そのものが重要な技術として広まった面もある。

ただし、ここで考えたいのは、そうした方法を初心者に最初から教える必要があるのか、ということだ。

AIを使うために、わざわざ難しい文章を考える必要があるのか?

AIの参考書に長いプロンプトが並んでいると、まるでAIを使うためには、決まった形式の命令文を覚えなければならないように見えてしまう。しかし、それでは本末転倒ではないだろうか。

AIは、人間の作業を助けたり、考えを整理したりするための便利な道具だ。それなのに、AIを使うための文章を考えること自体が負担になってしまったら、何のために使うのかわからなくなる。

例えば、パソコンがあまり得意ではない人が、AIなら簡単に文章を作れると聞いて興味を持ったとする。ところが、使い方を調べてみると、長いプロンプトを入力する方法ばかり紹介されている。それを見て「こんな面倒なことをするなら、自分で書いたほうが早い」と感じてしまう可能性もある。

さらに問題なのは、文章を入力する手間だけではない。そもそも、何をどう指示すればいいのか思いつかない人もいるだろう。AIを使い慣れている人なら、目的に応じて条件を考えたり、指示を細かく調整したりできる。しかし、初心者は何ができるのかさえ、まだよくわかっていない。そんな段階で、いきなり「適切なプロンプトを作りましょう」と言われても、難しく感じるのは当然だと思う。

もちろん、参考書が意図的にAIを難しく見せようとしているとは限らない。むしろ、わかりやすく教えようとして、具体的な例文を用意しているのだろう。ただ、その親切な説明が、かえって初心者に「覚えなければならないことが多い」という印象を与えてしまう可能性はある。

AIの使い方を紹介しているのに、
それを読んで面倒くさそうだと思われてしまったら、少しもったいない。

友達とLINEする感覚でAIに話しかけてみる

では、AIを使ったことがない人は、どんなふうに会話を始めればいいのだろうか。難しく考える必要はない。例えば、普段の生活で何か気になることがあったとする。

気になったら、そのまま送ってみる
そういえば、これってなんでだろう?

その疑問を、そのままAIに送ってみればいい。本を読んでいて知らない言葉が出てきたら、「これどういう意味?」と聞く。ニュースを見て気になったことがあれば、「これってどういうこと?」と質問する。何かを思いついたら、「こんなの作れないかな?」と相談してみてもいい。

AIを使う目的は、最初から決まっていなくても構わない。私自身、AIとの会話はこうした何気ないやり取りから始まることが多い。

笑加
笑加

これすごくない?w
今ってこんなことまでできるんだね
これ、記事にできそうじゃない?

そんな会話をしているうちに、新しい疑問が出てきたり、別のアイデアを思いついたりする。そして、そのアイデアをさらに掘り下げていくことで、最初は考えていなかったものが出来上がることもある。

実は、この記事自体もそうして生まれた。

「AIに命令するときって、いちいち敬語じゃなくてもいいよね」
▼
「AIの参考書は、どうして敬語ばかりなんだろう?」
▼
「難しいプロンプトを紹介すると、初心者はかえって面倒だと思うのでは?」
▼
AI初心者に向けた記事のテーマが見つかる

最初からブログ記事を書くつもりで話していたわけではない。会話をしているうちに、AI初心者に向けた記事のテーマが見つかったのだ。これも、AIの使い方のひとつだと思う。

プロンプトがわからないなら、AIに作ってもらえばいい

ここで、もうひとつ考えたいことがある。AIを使うためにプロンプトが必要だとしても、そのプロンプトを人間が一生懸命考えなければならないのだろうか。そもそも、AIに聞けばいいのではないだろうか。

例えば、何かを作りたいと思ったときに、こんなふうに話しかければいい。

プロンプト自体をAIに聞く
こんなの作りたいんだけど、プロンプトどうしたらいい?
うまく説明できないから、必要なことを質問して

これだけでも、AIに指示文を考えてもらうことができる。さらに、何を伝えればいいのか自分でも整理できていない場合は、2つ目のように「必要なことを質問して」と頼む方法もある。すると、AIから目的や希望する内容について質問してもらい、それに答えながら条件を整理できる。

「こんなの作りたい」と話しかける
▼
AIが目的や希望を質問してくれる
▼
答えながら条件を整理する
▼
そのまま制作を始める

例えば、Webサイトを作りたいけれど、デザインの知識がない場合。最初から専門用語を使って、配色やレイアウト、文字の大きさなどを細かく指定する必要はない。

知識がなくても、こう相談すればいい
シンプルで落ち着いた感じのサイトを作りたいんだけど、どう説明すればいい?

と相談すれば、どんな雰囲気にしたいのか、何を掲載したいのかといった点を一緒に整理できる。AIが提案した内容を見て、「もう少し明るい感じ」「装飾は少なめにして」と伝えることもできる。

そして、場合によってはプロンプトを作るという工程すら必要ない。「こんなの作りたいんだけど」と話しかけたところから、そのまま制作を始められることもあるからだ。

AIに命令するための文章を、AIに考えてもらう。
さらに、その命令文を作らずに、普通の会話から作業を進める。

考えてみれば、これほど気軽なことはない。

AIとの会話は、最初から正解を出そうとしなくていい

AIを使うときに、もうひとつ意識しなくていいことがある。それは、最初の質問で完璧な回答を得ようとすることだ。例えば、AIに「ブログの記事を書いて」と頼んだとする。

出来上がったものが… 伝え方
短い「もっと詳しく書いて」
堅苦しい「もうちょっと普通の話し方にして」
自分の考えと違う「そういう意味じゃなくて」

こうしたやり取りを繰り返すうちに、少しずつ希望する内容に近づいていく。最初から細かい条件を全部決めておく方法にも利点はあるが、実際に出来上がったものを見てから考える方法にも利点がある。

というのも、人間は最初から自分の希望をすべて言葉にできるとは限らないからだ。何かを見て初めて、「ここは違う」「こういう感じがよかった」と気づくこともある。

友達と何かを相談するときも同じだろう。最初に話した内容だけで結論が出るとは限らない。相手の意見を聞いて考えが変わったり、話しているうちに新しい選択肢が見つかったりする。AIとの会話も、そうした過程を利用できる。

ただし、AIは人間の意図を必ず正確に理解するわけではない。事実と異なる情報を答えることもあるため、重要な内容については確認が必要だ。また、複雑な作業や正確性が求められる仕事では、最初から条件を整理して伝えたほうが効率的な場合もある。

普段の雑談・相談

気軽に話しかけて
やり取りしながら近づける

正確性が求められる仕事

最初から条件を
整理して伝える

だからこそ、普段の雑談と、正確な処理を求める仕事とで、使い方を分ければいいのだと思う。

AIは使い方を勉強してから使うものなのか?

これまで、パソコンで何かをしようと思ったら、まず操作方法を覚える必要があった。例えば、Webサイトを作りたければHTMLやCSSを調べ、画像を編集したければ専用ソフトの使い方を覚える。何かを実現するためには、そのための知識や技術を身につけることが必要だった。

しかし、対話型AIの登場によって、その順番は変わりつつある。まず「こういうことをしたい」と話しかけて、実現する方法をAIと一緒に考えることができるようになったからだ。

これまで
知識や操作方法を覚える
▼
やりたいことを実現する
対話型AI
「こういうことをしたい」と話す
▼
方法をAIと一緒に考える
▼
やりたいことを実現する

それなのに、AIを使うために、今度は新しくプロンプトの書き方を覚えなければならないと思ってしまう。これは少し不思議な話ではないだろうか。

もちろん、プロンプトの知識が無駄だというわけではない。繰り返し同じ作業をするときや、複雑な条件を指定するときには、整理されたプロンプトが役に立つ。AIの特徴や限界を知っておくことも重要だ。ただ、それはAIを使い始めてから、必要に応じて覚えていけばいいことでもある。

最初からすべてを理解する必要はない。むしろ、実際に会話をしてみたほうが、「こんなこともできるんだ」「こういう聞き方だと伝わりやすいんだ」と気づけることも多い。

AIの使い方を学ぶことと、AIを使い始めることは、
必ずしも同じ順番である必要はないのだ。

まずは友達に送るような一言から始めてみよう

AIを使ってみたいけれど、何を話せばいいかわからない。そんなときは、無理に質問を考えなくてもいいし、何か役に立つことをさせようとする必要もない。まずは、普段の生活で気になったことを、そのまま話しかけてみればいい。

最初の一言はこれくらいでいい
これってどう思う?
なんでこうなるんだろう?
ちょっと聞きたいことがあるんだけど

そんな何気ない一言からでも、会話は始められる。AIを便利な道具として使うこともできるし、考えを整理する相手として使うこともできる。何かを作りたいときには相談相手になり、知らないことを調べたいときには説明してもらうこともできる。

そして、何をどう質問すればいいのかわからなければ、そのこと自体をAIに聞いてしまえばいい。AIを使うために、最初から難しいプロンプトを覚える必要はない。敬語で丁寧に質問しなくてもいいし、完璧な指示を出そうとしなくてもいい。

友達とLINEで会話するように、思いついたことを気軽に話してみる。そこから会話が広がり、自分でも思っていなかった疑問やアイデアが見つかるかもしれない。

AIの使い方を覚えてから話しかけるのではなく、
AIと話しながら使い方を覚えていく。

そんな始め方があってもいいのではないだろうか。

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