「本を読みたいけれど、読む時間がない」という人は多いのではないだろうか。
仕事が終わって家に帰れば、やりたいことはほかにもある。クリエイティブ活動したり、たまっていた動画を見たりしているうちに、一日が終わってしまうこともある。しかし、読書のためにまとまった時間を確保する必要はないと考えるようになってから、日常の中で本を読む習慣ができた。
例えば、以前の自分の主な読書時間は通勤電車の約15分だった。そのたった15分の間でもいいのだ。電車を待つ時間なども含めればもう少し長くなるが、特別に読書時間を設けていたわけではない。
すでにある時間の使い方を変えることで、
いくらでも生み出せる。
この記事では、実際に自分が続けてきた読書習慣を交えながら、通勤や待ち時間などのすきま時間を使って本を読む方法を紹介する。
本を読む時間がないのではなく、本を開いていない?

三宅香帆さんの『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』が話題になったように、働きながら読書を続けることに難しさを感じている人は少なくない。
ただ、自分の場合は「本が読めない」というよりも、「本を読まない」というほうが正確だった。
家に帰ればブログを書いたり、YouTubeの動画のネタを考えたり、実際に動画を制作したりと、ほかの作業を始めてしまう。やりたいことが次々に出てくるため、読書はどうしても後回しになりがちだ。
こうした状況を変えるには、読書のために新しく時間を確保するだけでなく、普段の生活の中で本を開く機会を増やすことも一つの方法になる。そこで自分が取り入れたのが、通勤時間を読書に使うことだった。
読書はまとまった時間がなくてもできる
本を読むとなると、30分や1時間ほどのまとまった時間を確保しなければならないと考える人もいるかもしれない。以前の私もそうだった。しかし、読書は必ずしも長時間続ける必要はない。
10分でも15分でも、本を開けば少しずつ読み進められる。
数ページでも、たった1ページでも、本を開けば少しずつ読み進められる。仮に一日1ページしか読めなくても、30日続ければ30ページになる。
ただ、読書の成果は読んだページ数だけで決まるものではない。たった1ページでも、その内容をじっくり理解したり、面白いと感じる文章に出会ったり、気になった言葉からさらに考えを広げたりすることがある。何十ページも読み進めることだけが読書ではない。
気づきを得られるのであれば、
それも十分に意味のある読書だと思う。
反対に、休日にまとめて読もうと考えていても、ほかの予定が入れば読書は後回しになる。時間を確保すること自体が負担になってしまえば、習慣として続けることも難しくなる。それなら、毎日の生活の中にある短い時間を利用したほうが現実的ではないだろうか。
休日に時間を確保しようとして、
予定が入ると後回しになる
通勤や待ち時間など、
毎日ある短い時間に本を開く
通勤電車や電車待ち、病院の待ち時間など、普段はスマホを眺めて過ごしている時間を読書に変えるだけでも、本を読む機会は増やせる。別にスマホを見ること自体をやめる必要はない。動画やSNSの代わりにKindleで本を開くだけでも、それは立派な読書時間になる。
重要なのは、一度に何時間も読むことではなく、日常的に本を開くことだと思う。
通勤電車の15分を読書時間にする
以前、自分が一番まとまって本を読んでいたのは、通勤電車の中だった。電車に乗ったら紙の本を開く。それが習慣になっていたため、わざわざ読書時間を作ろうと考える必要もなかった。
当時読んでいたのは、村上春樹の『海辺のカフカ』。再読だったが、やはり面白く、通勤時間を使って少しずつ読み進めていた。上巻だけでも500ページを超える長編なので、読み終えるまでには約1か月かかった。それでも、週5日の通勤で読み続けていれば、少しずつ確実に先へ進む。
15分という時間は短いかもしれないが、『海辺のカフカ』は再読しても面白く、続きが気になる作品だった。そのため、まとまった時間がなくても、電車に乗っている数分の間だけでも続きを読もうという気になれた。
読書は時間やページ数を気にするよりも、本の内容を楽しむことが大切なのだと思う。面白いと感じる本であれば、短い時間でも自然と本を開きたくなるものだ。
もちろん、通勤時間の長さや混雑状況によって読書できる環境は異なる。それでも、毎日決まって発生する移動時間は、読書を習慣にするきっかけとして利用しやすい。
「15分しかないから読まない」
「15分あるから読む」
時間の捉え方を変えるだけでも、読書に使える時間は増える。
気になった文章はドッグイヤーで残しておく
紙の本を読んでいると、印象に残る文章や、後から読み返したい部分が出てくることがある。自分はそうした箇所をメモすることもあるが、通勤電車の中ではすぐに書き留められない場合もある。
そこで使っていたのが、ページの角を折る「ドッグイヤー」という方法だ。
ドッグイヤー:ページの角を小さく折って、あとで読み返したい箇所の目印にする方法。折った形が犬の耳に似ていることからこう呼ばれる。
『海辺のカフカ』を読んでいたときは、気になる箇所が多すぎて、かなりのページを折っていた。隣り合うページまで折りたくなることもあり、後から見返すと折り目だらけになっていたほどだ。しかし、古本で購入した本だったため、ページを折ることにもそれほど抵抗はなかった。
もちろん、本をきれいに保管したい人なら付箋を使ってもいい。でも電車の中などで付箋を取り出すという行為自体が億劫になり、読書をやめてしまっては元もこうもないが…。
まあ、そもそも読書中に気になる文章が出てくるたびにメモを取っていると、読むこと自体がなかなか進まなくなるのだが…。そういう場合は、メモを取る時間と読む時間を分けるのも一つの方法だ。
そうすれば、限られた時間でも読書の流れを中断せずに済む。
数分のすきま時間にはKindleを活用する
通勤電車では紙の本を読んでいたが、数分しかない待ち時間にはスマホのKindleアプリを利用していた。
例えば、電車の待ち時間やトイレに並んでいるとき、長い信号待ちなどだ。最近では、自販機のコーヒーが出来上がるまでの約1分間にもKindleを開いて、少しだけ本を読むことがある。
紙の本をバッグから取り出すには少し面倒な場面でも、スマホならすぐに本を開ける。何となくスマホを眺めていた時間を、そのまま読書に置き換えられるのは大きなメリットだ。
また、自分は紙の本とKindleで別の本を並行して読むこともあった。一冊を読み終えるまで次の本を読まないという方法もあるが、必ずしもそれにこだわる必要はない。Kindleの一番のメリットは、何冊持ち歩いてもかさばらず、重くならず、荷物が増えないことだ。紙の本とは違い、スマホ一台で何冊もの本を持ち歩くことができる。線だって気軽にひけるし、だから紙の本に必ずしもこだわる必要はない。
通勤電車では長編小説を読み、数分の待ち時間には短い章で区切られた本を読むなど、時間や環境によって使い分けることもできる。
通勤電車でじっくり
長編小説などを読み進める
数分の待ち時間にすぐ開ける
短い章で区切られた本に向く
特に電子書籍は、複数の本を持ち歩く必要がないため、すきま時間を読書に使いたい人には便利な方法だと思う。
読書する時間帯や場所を決めておく
読書を習慣にするためには、いつ本を読むのかをある程度決めておくことも役立つ。
自分は以前、会社に朝1時間半ほど早く到着し、その時間を心理学の勉強に使っていた。読書は通勤電車、勉強は始業前の時間というように、時間帯によってすることを分けていたわけだ。
しかし、最近は勤務先が自宅から近くなり、通勤手段も電車から自転車に変わった。そのため、以前のように電車の中や電車待ちの時間を使って本を読む機会がなくなってしまった。もともと朝早く会社に行く習慣はあったので、現在はその時間を読書に充てることにしている。
とはいっても、毎朝何十ページも読んでいるわけではない。たった数ページしか進まない日もある。
それは最近、本を読んでいて気になった文章や疑問に思ったことをAIに投げかけ、会話しながら読み進めることが増えたからだ。また、印象に残った文章はメモしておきたくなるし、後から読み返せるようにNotionに転記したいという衝動にも駆られる。
以前、こうした読書中のメモについて記事を書いたので、そちらも読んでみてほしい。
そこから別の疑問が生まれて会話が広がり、気づけば数ページしか読んでいなかったということもある。しかし、それはそれでいいと思っている。
読書は、必ずしもページ数を増やすことだけが目的ではない。数ページしか読めなくても、そこから新しい知識を得たり、考えを深めたりできるのであれば、十分に意味のある時間になる。むしろ、気になったことをそのままにせず、その場で調べたり考えたりできるのは、AIを使いながら読書する面白さでもある。
こうして自分の生活環境が変わっても、読書する時間帯や方法を変えることで習慣を続けられている。毎日同じ時間に読むことが難しい場合は、「電車に乗ったとき」「何かを待っているとき」のように、特定の行動と結びつける方法もある。
普段の生活の一部にしてしまうことが、
無理なく続けるための工夫になる。
読書時間を増やすには、ほかの時間の使い方も考える
読書に使える時間を増やすには、普段どのようなことに時間を使っているのかを振り返ることも必要になる。まあ、読書に限らず、何かを始めるためには、ほかのことに使っていた時間を少し減らす必要がある場合もある。
例えば、毎日30分ほどSNSを眺めているなら、そのうち10分だけ読書に使ってみる。動画を見る時間を少し短くして、その分を本に充てることもできる。もちろん、何もせずに過ごす時間や娯楽を楽しむ時間にも意味はある。
大切なのは、すべての時間を有効活用しようとすることではなく、自分が何に時間を使いたいのかを考えて選ぶことではないだろうか。
本を読みたいという気持ちがあるなら、日常の中で少しだけ優先順位を変えてみる。それだけでも読書時間を確保できる可能性はある。
まとめ|読書時間は生活の中にある
本を読む時間がないと感じたとき、まず考えたいのは、新しくまとまった時間を確保することだけが方法ではないということだ。通勤時間や待ち時間など、毎日の生活には短い時間がいくつも存在している。
自分も以前は通勤電車で紙の本を読み、数分の待ち時間にはKindleを使っていた。現在は自転車通勤になったため、朝の始業前の時間を読書に充てている。
生活環境が変われば、読書に使える時間も変わる。それでも、そのときの生活に合わせて方法を変えれば、読書を続けることはできるのだ。読書を始めるために、最初から毎日1時間を確保する必要はない。5分でも10分でも、本を開く時間を日常の中に作ってみる。
読書習慣を作る第一歩になる。
忙しくて本が読めないと感じている人も、まずは普段スマホを眺めている数分間を、読書に変えるところから始めてみてはどうだろうか。



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